WEB制作・アプリ開発

Googleマップを越える利便性を。車椅子ユーザー専用地図アプリ「フェアぴあマップ」の挑戦

※この記事は、前回の記事「Googleマップを越える利便性を。当事者専用地図アプリ『フェアぴあマップ』の挑戦」の続きです。


屋号・サービス名「フェアぴあ」に込めた2つの意味

現在開発を進めているアプリの名前であり、私の活動の根幹にある屋号、それが「フェアぴあ」です。
この名前には、私たちが目指すべき社会のあり方を象徴する2つの言葉を組み合わせています。

  • フェア(Fair): 公平
  • ぴあ(Peer): 仲間・対等な人

一見すると聞き馴染みのある言葉かもしれませんが、ここには「身体・精神・知的・視覚」など、あらゆる特性を持つ方々と共に歩みたいという、私の強い信念が込められています。

「平等」と「公平」は、似ているようで全く違う

「平等」という言葉は素晴らしく聞こえますが、実はそこには落とし穴があります。
図書館で高い場所にある本を取るシーンを想像してみてください。

「平等」とは、大人にも子供にも、一律に同じ高さの踏み台を貸し出すことです。
しかし、これでは背の高い大人は不要な台を渡され、小さな子供にとっては台があっても本に手が届かない、という事態が起こり得ます。

対して「公平(Fair)」とは、その人の状況に合わせた高さの踏み台を提供することです。
車椅子の方、視覚に障害がある方、あるいは精神的な特性から静かな環境を必要とする方。
「必要な人に、必要なだけの支援を届けること」。そして、必要としない人には過剰な介入をしない。これこそが、本当の意味で一人ひとりの「個」を尊重する形ではないでしょうか。

支援する側・される側の上下関係をなくしたい

もう一つの言葉、「ぴあ(Peer)」には、対等な仲間という意味があります。

福祉や介護の現場では、どうしても「支援する側」と「受ける側」という上下関係が生じがちです。
しかし、本来人間として向き合うとき、そこに優劣や上下は存在しません。

身体的な介助が必要な場面でも、心のサポートが必要な場面でも、支援する側は決して奢(おご)らず、一人の人間として、目の前の相手と対等な仲間(Peer)として歩んでいく。
そんな関係性が当たり前になる世の中を作りたいという願いを込めています。

「フェアぴあ」が目指す包括的な未来

「フェアぴあマップ」が対象とするのは、特定の障害だけではありません。
身体障害、精神障害、知的障害、視覚障害など、多様な特性を持つ方々が、それぞれの視点で情報を共有し合える場を目指しています。

自分の特性に合った「行きたい場所」を自由に見つける。
それは「特別な配慮」を求めることではなく、誰もが自分らしく楽しむための「適切な踏み台(情報や環境)」が社会に用意されている状態を作ることです。

私たちは、これからも「公平な機会」と「対等な繋がり」を大切に、活動を続けていきます。

【編集後記】
この「踏み台」の考え方は、アプリ開発だけでなく、私たちが日常生活で誰かと接する際にも大切な視点だと感じています。
特性の違いを「壁」にするのではなく、それぞれの高さに合った「台」をみんなで用意し合える、そんな温かい繋がりを広げていきたいです。