WEB制作・アプリ開発

理想と現実のギャップ、そして届いた厳しい声。私が方向性を変えた理由

※この記事は、前回の記事「介護とボランティアで気づいた『個』の尊重。車椅子でも自分らしく店を選ぶ大切さ」の続きです。


「バリアフリー完備」の文字を信じて訪れた現場のリアル

好きなものを自由に食べに行く。その当たり前の願いを実現するために、私はグルメサイトやGoogleマップ、店舗の公式ホームページを駆使して情報収集を始めました。

しかし、実際に車椅子で店舗を訪れてみると、「事前に調べていた情報と違う」という現実に何度も直面することになったのです。

  • 入り口にはスロープがあるが、店内の通路が狭すぎて車椅子が通れない
  • 「バリアフリー対応」と書かれていても、トイレが狭く、実際には利用できない
  • 段差はないが、テーブルの高さが合わず、食事がしにくい

こうした「情報の解像度の低さ」を埋めるため、私は自らブログを立ち上げ、実際に車椅子で店舗を巡り、そのリアルな体験を発信し始めました。

届いた一通のコメント。「当事者ではない」という壁

知識ゼロの状態から独学でブログを作り、何店舗かの情報を掲載した頃のことです。ある記事に、非常に厳しい内容のコメントが届きました。

「車椅子で生活していないあなたが、車椅子でお店に行っても、それは作られた情報でしかない」

正直なところ、自分の活動を否定されたようで深く傷つきました。しかし、冷静になって考えてみると、その言葉には無視できない真理が含まれていることに気づかされたのです。

健常者である私が「車椅子を借りて体験する」ことと、日常的に車椅子で生活している方が感じる「切実な不自由さ」や「当事者ならではの視点」には、どうしても埋められない溝がある。その指摘は、一理あるものとして私の心に深く刺さりました。

「発信」から「共有の場」へ。新たな決意

自分の活動に限界を感じ、一度は立ち止まりかけました。しかし、ここで諦めるのではなく、視点を大きく変えてみることにしました。

「私一人が発信するのではなく、当事者の方々が情報を交換し合える場を作ればいいのではないか」

一人の調査員としての限界を超え、車椅子ユーザー同士がそれぞれの視点で「本当のリアル」を共有し、助け合えるコミュニティ。それこそが、私が当初から求めていた「個の尊重」と「自由な選択」を実現する最短ルートだと確信したのです。

否定的な意見をきっかけに、私の活動は「情報の提供」から「交流と共有の場の提供」へと大きく舵を切ることになりました。

次の記事では、この新しい挑戦として立ち上げた「車椅子ユーザーのための情報交換コミュニティ」の具体的な内容についてお話しします。